Gallery物語(作品から伝わるもの)

ある日雨でもないのに全身ずぶ濡れの熟年の女性が、
ギャラリー入り口の正面アプローチでしゃがみ込んでおられました。
(たぶん近くを流れる多摩川の流れの中に身を・・・)

それを察し、オーナーがギャラリーの中にお誘いすると、
ゆっくりと身の上を話されました。

現在ご病気の治療中で、今まで以上に強い薬で治療をするように・・・
医者からその日に言い渡されたそうです。
「これから苦しい治療に自分が耐えられるか?」
家族に迷惑をかけたくないと今後のご自身を悲観されてのことだったようです。
しばらくはなしをし、
春日井の絵をゆっくりご覧になり、
「いいものを見せてもらいました。少し元気が出てきました。ありがとうございました。」
と落ち着いて帰られたそうです。
その後一度訪問され「娘さんと一緒に暮らす。」
とわざわざ報告に来て下さいました。

今・・・その方はきっとお元気になられ、
娘さんご家族と仲良く暮らしていることと想像しています。
いつか私もお会いできたらとうれしいです。

春日井誠

アトリエ獏 ~makoto kasugai~ ギャラリー&活動